急に切れなくなったみたい。
なぜ切れなくなるのですか?
顕微鏡で見ると、刃と刃がこすれ合うと磨耗して丸くなっていきます。
これが進み、ある段階以上になると、毛を引っ掛ける事ができずに滑ってしまい切れなくなります。また、急に切れなくなったときはサビが原因として考えられます。
ステンレス鋼でも切れ味を出すために炭素を含みますから、これが水分はもとよりパーマ液中のチオグリコロール酸等と反応してサビが発生します。実験によりますと、このような化学変化による「白サビ」は目には見えませんが塗布後約10分で発生しますので、特にパーマ後のカットに使用した場合は、迅速なお手入れが必要です。
なぜ手造りが良いのですか?
どこまで手造りなのですか?
ヒカリではほとんどすべてを手造りしています。
とくに切れ味に重大な影響のある蛤刃(はまぐりば)は、熟練した職人の手作業でなくては不可能です。
切るという事は、決して鋏の刃線の面で切っているのではなく動刃と静刃が交わる刃線上の1点で切断しているのです。ですから何の調整も無く機械的に2本の刃を合わせるだけでは1点で交わらせる事は出来ません。均一な力でスーッと開閉し切る、ヒカリ独特の切れ味は、前述の「3つの交わらない曲線(3つのR)」を手造りで調整した結果です。
また、シザーズを鏡のようにツルツルピカピカに磨き上げるのも(メッキではありません)手作業であり、これは薬品や水分を素材に残さないために重要です。
スキ鋏を選ぶポイントが分かりません。
どこを見れば良いのでしょうか?
セニングシザーズは見た目にはみな同じに見えてしまいますが、正確な知識と理解力が無いと使いこなせません。また反対にそれを身に付ければ、多彩なカットテクニックに生かせるとても大きな可能性を秘めた重要なシザーズです。こちらをご参照下さい。
刃は咬み合って
欠けてしまいました・・・
刃に付いた小さな傷が使っているうちにひどくなり、咬むようになってしまうケースが多いようです。原因としては
(1)カラ鋏(何も切らずに開閉だけする事)を繰り返した。
(2)鋏を完全に閉じずにワゴンの上等に無造作に置いた。
(3)親指で押すようにして切る(押し切り)のくせがある。
(4)ネジをゆるめたり、ゆるんだまま使っている。
刃の先端はミクロの単位で薄く鋭いので、前記のような扱い方で簡単に欠けてしまします。修理可能ですが、深いと傷の深さまで刃の幅を細くしなければなりません。シザーズを置く時はワゴン等に無造作にポンと置かず、必ず刃を完全に閉じてフェルトなどの柔らかい布や革の上にそっと置く癖を付けましょう。
シザーズはどのように手入れすればよいでしょうか?
シザーズの正しいお手入れ方法を教えて下さい。
正しいお手入れ方法は以下の通りです。毎日のお手入れと定期点検が必要です。また詳しいお手入れ方法はこちらもご覧下さい。
● パーマ液に直接触れるような使い方をした後
熱湯で軽く洗い流し、綿などの柔らかい布で(ティッシュは避ける)水分をよく拭き取り、ヒカリオイルを刃の部分に付けた後、再び布で拭き取って下さい。
● 1日の仕事が終わった後
乾いた布で毛クズを拭き取りヒカリオイルを触点(ネジ部)・刃線に差しながら開閉し、交差部分等にたまった毛クズや金属粉をよく取り除く様に努めると良いでしょう。
● 定期点検
刃の表に「かえり刃」が出て刃の裏の刃線がピカピカに光り始めたら、切れ味も鈍くなっているはず。このような時には点検に出して下さい。研磨調整(※1)します。(有料です)
※1 研磨調整
研磨というとグラインダー等で削り取るイメージがあると思いますが、ヒカリでは研磨といっても削るのではなく、顕微鏡レベルで丸くなった刃先をあくまでミクロン単位で鋭くするだけです。それよりも2本の刃の元から先まで一貫した手ごたえで開閉するように、かみ合わせのスムーズさを微調整する事に専念しています。